佐倉剣道連盟錬成大会 試合審判について

 3年ぶりとなります小中高校生を対象とした佐倉剣道連盟主催剣道錬成大会は、全日本剣道連盟試合審判規則同細則及び主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドライン、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法によって行います。
 本大会実施にあたって新たに運用される「主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドライン」と「新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法」の2つについて、ご説明いたします。

 「主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドライン」とは、新型コロナウイルス感染防止の見地から三密(密閉・密集・密接)を避けること、つまり試合者同士が密接に接触することを避け、短時間に効率よく剣道を行うことが感染防止に必要なことをいっています。
 「新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法」とは試合者同士の接触を避けるために具体的状況として「不当な鍔迫り合い」をなくし、いうなれば鍔迫り合いという状況を極力減らし、短時間に効率よく剣道を行うために「意図的な時間空費や防御姿勢による接近する行為」を解決しなければならない、ということが「新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法」 の【趣旨】となっています。
 この【趣旨】は試合者だけではなく審判員同士も接近しないことをいっており、審判員の入場および整列・審判員合議時の位置にもあらわされて、 常に1メートル以上の間隔を保つことが明記されています。
 本大会の試合はこれら審判法の運用によって進めていきますが、この審判法の運用には試合者である選手がある程度の練度を伴った技量が必要となります。
 今回小学生のみの試合ということで、試合者の技量に鑑み、この大会だけのホームグラウンドルールの基に進めていきますのでご了解をお願いします。
 試合を円滑に進行するために、そのルールの中から典型的な反則例を紹介します。

①双方が鍔迫り合いに入り、鍔迫り合いの状況をなくすためにその解消にあたったが、片方が間合を切らず相手についていく。

②双方が鍔迫り合いに入り、鍔迫り合いの状況をなくすためにその解消にあたったが、片方の間合を切る距離が相手よりも明らかに短い。

③片方が打突の意思がなく、防御姿勢をとる。

打突の意思がなく不要な防御体制を作り間合いをつめる
打突の意思がなく不要な防御体制を作る(時間の空費)

 以上、3つの典型的な反則の状況をあげましたが、剣道の技量がないと正しい鍔迫り合いができず、このルールを適用する試合内容にならないし、審判の判定も非常に難しいのが実情です。そこでその大会のみに適用されるのホームグラウンドルールを視野に入れての大会運営が必要だと思います。

その他
 離れぎわに竹刀を払う

 故意に裏交差をする

正しい鍔迫り合いの解消

解消にあたっては剣先の触れない位置まで双方が間合を切る。


現在のコロナ禍における大会に、審判員として指導者として臨む上での小学生への指導として

①正しい鍔迫り合いを指導することが第一歩。
 正しい鍔迫り合いの典型、動きの中での型、体格差がある中での型を把握し、特に小学生に正しい鍔迫り合いを指導することは大切です。
 小学生低学年の試合で良く見る光景として、手元が上がった状態で鍔競り合いをしている、竹刀を横に倒した状態で鍔競り合いをしている、という場合も不当な鍔迫り合いの対象となります。

正しくない鍔迫り合い 例1)拳が刃部に触れている
正しくない鍔迫り合い例2)高い位置で鍔迫り合いをする
正しくない鍔迫り合い例3)竹刀を横にして鍔迫り合いをする


 他にも打突の意志のない鍔迫り合いは「時間の空費」が該当するので反則行為となります。 先生方が適切に指導されている光景も良く見ますが、 恐らく小さい子供達は気持ちが高ぶってあんな風になってしまうのでしょうね。 但し、これらの状態が短時間で解消されるようなら、それ程問題視はされず、試合でも反則を取られることはないと思われます。 問題となるのは、その状態が解消されずに長時間となってしまった場合や何度も繰り返される場合です。

身長差がある場合も鍔と鍔を合わせて鍔迫り合いをする

②かけひきをして自分を有利に導こうとするものが見えたら反則。
 これが反則の本質となります。
 状況面で反則の見極めが困難な場合、自分を有利にしようとして相手に不利益を与えているかどうかをみると状況がわかってきます。

③最初の反則を見逃すと基準がなくなり反則がとれなくなるので最初の反則の見逃し、見落としをしないようしつかり見柩めることが大切。
 試合を円滑に能率的に進めるためには、明瞭ではない膠着や不当な鍔迫り合いの反則に対して主審が適切に専決権を行使することが必要です。